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目の奥が乾くような 眼球だけが酷く眠くてそれでも頭は考えない方が良いことばかり囁いてくる 窓を見なくても朝が近づく気配がする

心臓が嫌な動き方をするかどうか確かめるためなのか 自分の執着心を試したいのか そういう自虐的な趣味なのか 消せないだけじゃなくて関係も断てない

一番怖いことは忘れられてることよりも忘れてしまうことだけど そんなことを言ってたらもう隙間がないほどズタズタに傷ついてしまって わたしはまた選択を誤ったんだね

愛されてる自覚を持つことより愛してる気になる方がずっと楽だから 永遠に噛み合わないままなのかな

もうきっと叶わなくて叶える気もないけど  あの時と同じ気持ちになれたらいいな 不安とか悲しみが溶けてなくなって嬉しくてわけがわからなくて泣き出してしまうような そんな光の中で 無駄なものが1つもない視界をもう一度だけ感じてみたいな その時は忘れずに髪を二つに縛るから